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風邪から専門医療まで
糖尿病・不整脈(FMいわきインタビューより)

糖尿病       不整脈


糖尿病運動療法について
平成11年10月 FMいわきのインタビューより抜粋)



本日は、佐藤クリニック院長、佐藤ヒロキ先生による「糖尿病の運動療法について」お話をうかがいたいと思います・・・・・・・・・・・・・・・・。


 糖尿病は「文明病」とか「贅沢病」などと言われますが、決して新しい病気ではありません。すでに紀元前1550年頃にエジプト最古の記録があります。日本では戦後、増加の一途をたどってきており、今年の統計では糖尿病の患者さんは20才以上のほぼ1割、700万人、さらに糖尿病予備軍と言われている人は1370万人といわれています。
 糖尿病の治療法には大きく分けて3つあります。「食事療法」「薬物療法」そして、今日お話しする「運動療法」です。
 当院では、糖尿病の患者さんに「糖尿病友の会」に参加してもらって、さまざまなイベントの中で、この3つを実践してもらっているのですが、特に運動療法は、仕事を持っている方からなかなか実行できない、といわれることが多くあります。
 仕事をもっていても、もっと気楽に運動療法を続けられるように、今日は、この運動療法について、何をどれだけ行えばいいのかをお話ししていきたいと思います。


運動すれば、糖尿病にとってどのような効果があるのでしょうか。


 まず、運動により血糖が下がります。この効果は、運動すればただちに現れるため「急性効果」といわれています。なぜ、血糖が下がるかといいますと、筋肉が動き続けるためには燃料として、血液の中のブドウ糖、つまり血糖が必要になるからです。また、一定以上運動すると、筋肉や肝臓にためてあった糖分も消費しますから、それを補充するために血液中の糖分を筋肉や肝臓に送り込むため、血糖値が低い状態が1日〜2日続きます。このような状態は糖分の補充が完了するまで続くため、運動後1日〜2日は血糖が低くなるというわけでうす。これを「持続効果」といっています。さらに、運動を継続して行えば「慢性的効果」といって、インスリンの働きをよくする効果や細胞に糖分を取り込むタンパク質を増やす効果も得られます。このため、血液中のブドウ糖はうまく処理されるようになり、血糖値は正常な値を持続できます。


ということは、運動すれば、血液に含まれている血糖も下げられるし、さらに筋肉や肝臓に含まれている血糖も下がることになるのですね。


 その通りです。さらに、運動することによって、糖分ばかりでなく、脂肪も燃料として使われるために、コレステロールや中性脂肪も下がることになります。


運動療法は、糖尿病の方だけではなく、コレステロールが高い方や肥満気味の方にもお勧め、ということですね。


はい。ただ、患者さんによっては運動療法が逆効果になる方もいますので、必ず行う前にメディカルチェックを受け、「運動療法をやってもいいかどうか。どの程度の運動をしてもいいのか」医師に相談する必要があります。


運動療法をやってはいけない人とは、どんな人でしょうか。


まず、「糖尿病性網膜症」の方は運動による血圧の上昇で、新しい眼底出血を起こす危険性があるため、運動は控えた方がいいでしょう。また、「糖尿病性腎症」といい、おしっこの中に持続的にタンパクが出ている方や、「糖尿病性神経障害」による手足のしびれや痛みを強く訴えている患者さんなどは、運動により症状がひどくなる可能性がありますので注意が必要です。その他、進行した心血管や脳血管の障害、活動性の感染症があることがわかった場合には、運動療法は禁止しなければなりません。それから関節に障害がある時も、必ず医師に相談しなければなりません。


運動療法が必要な患者さんの場合、具体的にどのような運動をすればいいのでしょうか。


運動によってインスリンが効率的に働くようになるには、運動に使われた筋肉のところです。ですから、できるだけいろいろな筋肉を使う運動の方が、運動療法としては適していると言えます。さらに、リズミカルに筋肉を使う方が、心臓への負担も軽くなり体にとってはいいでしょう。
こうしたことから考えても、「歩く」ことが運動療法の基本となります。


では、まず「歩く」運動療法について教えてください。


歩く姿勢についてですが、背筋を伸ばした良い姿勢で歩きます。目はやや遠くを見て、あごを引きます。胸を張り、お腹を引き締めます。着地はかかとから、少し歩幅を広げ、リズミカルに早足で歩くことがポイントです。歩幅を広げるとバランスをとるため腕は自然に大きく振られます。このようにすると、背中やお尻の筋肉も運動に参加することになり、全身の運動になります。万歩計を利用し、1日1万歩を目標に歩きます。


1万歩というと、どの位の距離になりますか。


歩幅60センチ〜70センチで歩くとすると、6キロ〜7キロ位歩くことになります。


まとまった時間がとれない方もいるかと思いますが・・・。


特に働いている方などで、定期的に運動の時間が取れないという場合でも、ちょっと工夫すれば運動は可能です。マイカー通勤はやめて、2キロ以内ならば歩いて通うようにしましょう。3〜5キロぐらいなら自転車で通うようにすれば運動療法になります。また、電車やバスを利用している人でも、1駅先まで歩いてみるとか、1駅手前で降りるなど工夫ができるのではないでしょうか。あと、エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を利用しても、いい運動になります。
主婦の人なら、買い物に行くときなど、ちょっと足を伸ばして遠くの店に行くとか、ついでにちょっと遠回りして散歩するといった工夫でも、あんがい運動量は増やすことができます。


これは毎日しなくてはいけないのですか。


当院の「糖尿病友の会」の参加者の中にも「月に1〜2度ゴルフをするから、特に運動療法をしなくてもいいですか」と言った方もいらっしゃいましたが、月に1〜2回とか、何日かに1度まとまって、ある程度のスポーツをするというのでは、糖尿病の運動療法としては、あまり効果があるとはいえません。むしろ、軽い運動を毎日続ける方が、ずっとよい結果に結びつくものです。
毎日、ウオーキングなどの軽い運動をして、さらに休日には一定のまとまった形での運動を行うようにすれば、たまにゴルフなどを行うということでも、運動療法の一貫としての意味が出てきます。
要は、体が運動をするという状態を継続していることが、インスリンの利用能力を高めることになるのですから、できるだけ運動は毎日継続していくことが大切です。どうしても毎日出来ないときは、週に3〜5日を目標にがんばってみてください。


運動は、最低何分以上やらなくてはならないのでしょうか。


ウオーキングに限らず、運動は少なくとも15分は続けてください。というのは、血液中のブドウ糖が燃料として使われ始めるのは運動を開始してから5〜10分位してからです。また、貯蔵燃料の脂肪が燃料として使われ始めるのは、少なくとも15分位かかると思われます。ですから、血糖の調節を目的として行う運動は、少なくとも15分は続ける必要があるわけです。さらに余分な体重を減らしたいということであれば、30分以上は運動を続けないと、あまり効果は期待できません。
自分が最大に実行できる運動の強さを100とすると、その強さの40〜60%くらいの運動を15分以上続けます。「ちょっときついかな」と思い始め、汗が出て、少し息がはずむ程度の運動がちょうどいいでしょう。


運動は最高何分までやってもいいのでしょうか。


ウオーキングやジョギングなど、同じ動作を繰り返す運動は、あまり長い時間行うと、膝や足首の関節など刺激を続けて受ける部分に障害がおきやすくなりますので、60分位が限度と考えておいた方がいいでしょう。


ウオーキング、ジョギング以外に、運動療法に適している運動は何がありますか。


有酸素運動といって、酸素を十分に呼吸しながらする運動がいいとされています。この有酸素運動には、ウオーキング、ジョギングの他、水泳、サイクリングがあります。これに対して、一時的に筋力を高めるような運動、バーベルを使った筋力トレーニングや無酸素運動は、糖尿病の運動療法としては好ましくありません。
 特に、肥満の人の場合、運動による膝や腰への負担も考えなくてはなりませんので、ウオーキングやジョギングよりも水中での運動やサイクリングなどがいいでしょう。


縄跳びはいかがでしょうか。


縄跳びも有酸素運動で、あまり場所や道具もいらず、一人でできるので気軽ですが、これは運動強度としては、思いのほか強いものとなります。たとえ、糖尿病性合併症がなくても30秒行って30秒休む、といった方法がよいかと思います。また、膝関節も痛めやすいので注意しなくてはなりません。


運動した分だけ、食事の量を増やしてもいいのでしょうか。


運動で消費できるエネルギー量は意外に少ないものです。たとえば、分速80メートルで歩くとします。この運動で消費されるエネルギー量は約20分で、ようやくご飯を茶碗に半分のエネルギー量と同じになります。きわめてハードな運動をしている人たち、すなわちスポーツ選手などの場合は別ですが、多くの患者さんたちの場合、こうした考え方で食事をしていくと、どうしても食事で摂取するエネルギー量の方が、運動で消費するエネルギー量を上回ってしまいます。結果、「食べ過ぎ」となってしまい、血糖値を上げてしまいます。「運動したら、食事の量を増やしてもいい」という考えは捨て、「きちんと食事療法はした上で、運動もする」という考え方にした方がいいでしょう。


運動をするのに最適な時間はありますか。


運動療法は原則として、食後40分以上たってから行います。とくに食事の1時間後くらいがちょうど血糖値の高くなり始める時間なので、その時に運動をすれば、血液中のブドウ糖を筋肉が利用することによって血糖値の上昇を抑えることにつながります。またこの時間帯であれば、インスリンや薬を飲んでいる人の場合でも低血糖を起こす心配が少なくなります。


運動療法は継続しなければ効果がない、ということでしたが、継続していくためのコツはありますか。


まずは、自分の生活環境などを考えて、無理しない運動を選ぶことが大切です。その上で、楽しみの一つとしてできる種類のものから、選択の幅を広げていくのがコツです。たとえば、まず散歩をしてみる、それに慣れてきたらハイキングに出かけて楽しんだりする、というのもいいでしょう。それから「糖尿病友の会」などに積極的に参加して、同病の仲間を見つけ、いっしょに運動をするようにすれば、怠けて休むことも少なくなるのではないか、と思います。


運動療法を行う上で注意点はありますか。


まず、血圧が高い、脈拍が高い、風邪を引いている、頭痛がする、寝不足や二日酔いなど体調の悪いときには、無理をせず休みましょう。また、外で行うジョギングやウオーキングの場合は、雨が降っている、風が強い、寒さが厳しい、暑すぎる、などの天候や気温によっても無理をせず休んでください。運動療法では、2〜3日運動を休んだからといって、あまり影響はありません。むしろ、体調がさらに悪くなることの方を心配してください。
それから、運動中に、胸が苦しくなる、めまい、脈拍が1分間に100以上になった時、冷や汗や、強い空腹感、ふるえなど、いつもと違う感じがあったときにはただちに運動を中止してください。そして、必ず医師に報告してください。
もうひとつ、付け加えておきますが、運動の後には、必ず水分の補給を考えてください。運動で汗をかいた後、水分を十分にとらないと、脱水症状になることがあります。脱水症状になると、血液の粘りけが強くなり、血液が固まったりし、血管が詰まりやすくなります。水分補給は糖尿病の患者さんの場合、糖質が多く含まれている清涼飲料水などではなく、水やお茶などにするなど心がけてください。
運動療法は、医師と相談しながら、無理なく継続的にできる方法を考えることが大切です。そのためにも、ちょっとした症状や違和感なども、確実に医師に伝え、自分に一番合った運動療法を見つけることが必要です。




不整脈について
(平成10年6月 FMいわきインタビューより抜粋)

本日は、佐藤クリニック佐藤博紀先生をお招きしております。
まず、不整脈とは何でしょうか。


 不整脈とは、俗に言う「脈の乱れ」ということです。不整脈は、日常、よくみられる比較的多い病気です。患者さんはドキッとしたり、ドキドキしたり、胸の中でグッと詰まる感じがしたり、チクッと胸が痛くなったり、いろいろと訴えます。このような症状があると、なにぶん心臓に関係する事ですので、かなり強い不安感を持つようです。不整脈は心電図で形で示すことは出来ますが、外来で、患者さんに納得できるように短時間で説明する事は大変難しい事です。そこで今日は、なるべく簡単にわかりやすく話したいと思います。
 学校の生物で習ったと思いますが、心臓には左右の心房と心室の4つの部屋があります。心臓が拍動するためには右の心房の上に洞結節と呼ばれる天然のペースメーカーがあります。つまり、発電所のようなものでして、ここから心臓が働くよう刺激、すなわち電気がでるわけです。この刺激が、上の2つの心房を興奮させ、刺激電動系という送電線を通って下の2つの心室へ刺激が伝わり、心室を興奮させ、心臓が収縮するわけです。洞結節が天然のペースメーカーとして働く事が出来るのは、自分で周期的に活動する事ができる能力を持っているからです。このことを自動能といいます。
 ここまでが不整脈を理解するための基礎知識です。


不整脈にはどんな種類があるのでしょうか。


期外収縮という言葉を聞いた事があるでしょう。さきほど言った自動能は、通常、洞結節にあるのですが、何らかの原因で心房、心室にも異常発生し、いつもより先に刺激を出し、心臓を興奮させる事があります。これを期外収縮といいます。心房からでたものを心房性期外収縮、心室からでたものを心室性気概収縮といいます。自覚症状としては、さきほど言ったように、ドキッとしたり、ドキドキしたり、いろいろな症状がでます。しかし、自覚症状は患者さんによって異なります。動悸を訴える人が多いのですが、何も感じない人もいます。なぜ人によって症状が違うのか、その理由については、今のところわかっていません。


期外収縮の患者さんは、その後、どのような検査を受けるのでしょうか。


 まず、心電図検査で「期外収縮」とチェックされた後、いちばん肝心な検査は、ホルター24時間心電図検査になります。これは、非常に長い時間、なるべく普通の状態で心電図を記録できる装置です。この検査により、期外収縮の種類、数、自覚症状の有無、特に大切なのは、期外収縮が悪性または危険性のあるものかどうかを知る事ができます。普通みられる期外収縮は、せいぜいわずらわしい自覚症状をともなう位で、生命に危険はないのが普通です。しかし、期外収縮がある場合、その基礎に何か重大な病気が隠されているときがありますので、ホルター心電図検査意外に胸部エックス線検査や心臓超音波検査を行います。特に、中年以降の患者さんは、狭心症などの虚血性心疾患が問題ですが、この査については後日話すことにします。


症状のある患者さんはどうすればよいのでしょうか。


 自覚症状のある患者さんでも心臓に病気がない、とわかっただけで良くなる人もいますが、いくら心配ないと言われても動悸などの症状がとれない人は抗不整脈剤を使う事があります。


その他にどんな不整脈があるのでしょうか。


 不整脈の中では期外収縮に次いで多いのが、心房細動です。特に問題となるのが発作性心房細動です。大量にお酒を飲んだ晩や、翌朝に起こるときが少なくありません。


心房細動はなぜ注意しなければいけないのですか。


 この不整脈があるときは、心臓から送り出される血液の量がおおよそ20%位少なくなると言われています。ですから、心臓から全身に送り出される血液の量が少なくなり、心不全になりやすくなるのです。症状としては、坂道や階段の昇り降りが苦手となります。もうひとつ、この不整脈で困る事は、心房とか心室といった心臓の中に血栓と呼ばれる血液の固まりができやすくなることです。その血栓が突然、壁からはがれて血流にのって流れだし、脳につまり、脳塞栓になることがあります。軽ければ手足の軽い麻痺だけでおさまりますが、脳の太い血管に詰まるとそのまま死に至ることもあります。


この不整脈はどのような病気に合併してくるのでしょうか。

 この病気は、弁膜症とか高血圧症、狭心症、心筋梗塞等の虚血性疾患に多くみられます。


この病気の治療はどうしたらいいのでしょうか。


 一般的な治療としては、内服薬や、注射が行われますが、非常にさしせまった状態ではカルジオバージョンと呼ばれる電気ショックが行われる事もあります。心臓の中に血栓を生じる恐れのある患者さんに対しては、血液の凝固をおさえる薬、たとえばワーファリンや、血小板の凝集をおさえる目的で少量のアスピリンが投与されます。もうひとつ、よく見られる不整脈に慢性心房細動があります。この不整脈は、いろいろな状態でみられ、目立った心臓病がない人でも起こることがあります。しかし、たいていは弁膜症とか、バセドウ病、高血圧、虚血性心疾患に伴う事が多いようです。この場合も心臓の中の血栓を形成させないよう、ワーファリンや少量のアスピリン、たとえば小児用バファリンが使用されます。よく患者さんから、「心臓病や不整脈に、納豆を食べてはいけないのですか」と聞かれますが、別に納豆は心臓や不整脈に悪いわけではありません。ただ、ワーファリンを飲んでいる患者さんが納豆をたくさん食べると、その効力を低下させる事があり、その意味で「食べないように」と言っているわけです。


その他にはどんな不整脈がありますか。


 発作性上室頻拍があります。この不整脈は、心臓に異常がないと思われていた人が急に動悸を訴え、苦しがり、脈が数えきれないほど多くなる病気です。この不整脈の多くの例では、明らかな心臓病がないことが多いのです。発作時以外は機能的にまったく正常で、睡眠不足とか過労、たばこの吸い過ぎなどをきっかけとして頻脈を起こしてきます。患者さんによっては、発作中に頻尿、多尿がみられることもあります。


どうして尿がたくさん出るのですか。


 これは、心房から心房性ナトリウム利尿因子と呼ばれるものが分泌されるからだといわれています。


頻脈というと、実際数はどのくらいになるのでしょうか。


 毎分160〜200、またはそれ以上になることもあります。ちなみに普通は60前後ですから、当然ドキドキするわけです。


発作性上室頻拍症の治療はどのようになりますか。


 たいていは、静脈注射で発作が止められます。発作の予防に、内服薬を使用する事もありますが、最近では新しい治療法がなされています。発作の原因であるバイパスを、高周波の刺激で破壊するカテーテルアベレーションという方法があります。


自宅で発作を止める、いい方法はありませんか。


 そのときは、喉の声門を閉じたまま、息を吐こうとする方法や、喉に指を入れ、ゲッと吐いてみたり、あるいはコップ1杯の水を一気に飲み込むなどの方法があります。少し、危険で勧められないのですが、眼球を圧迫する方法もあります。
 その他の不整脈として、フッと気を失ってしまう房室ブロックとか、洞機能不全症候群などがありますが、これらについては、ペースメーカーの話のときに説明があるかと思いますので、本日は省略させていただきます。


不整脈のある方の自己管理はどのようにしたりいいのでしょうか。


 不整脈の誘因となるものとして、運動、酒、たばこ、カフェイン、睡眠不足、妊娠などがあります。まず運動について言いますと、自覚症状のある方、狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患のある方、弁膜症を持っている方は、当然、運動制限をする必要があります。しかし、不整脈はあるが、心臓に病気のない人は、もし運動する事によって不整脈が消えるようでしたら運動制限する必要はありません。特に、水泳に関して言うと、潜水するときは顔を水につけ、息を止めた状態にしているため、脈拍が少なくなる事がありますので、注意をする必要があります。
 次に、お酒について言います。アルコールによる不整脈については発作性心房細動が有名です。また、アルコールによって心臓の血管が痙攣し、狭心症発作を起こし、不整脈がでるときがあります。このようなことを考えると、不整脈がある患者さんには、禁酒を勧めた方がいいかと思います。
 次に、タバコについてですが、タバコを吸うことによってニコチン、カテコラミン、一酸化炭素濃度が上昇します。特にニコチンが不整脈を誘発する作用があると言われています。しかし、いろいろな報告を見てみますと、禁煙がどれほどの効果をもたらすかは明らかではないようです。しかし、喫煙は狭心症や、心筋梗塞などの虚血性心疾患の危険因子ですので、禁煙する意義は十分あるわけです。
  次にカフェインについてですが、コーヒー紅茶のカフェインに不整脈を誘発する作用があるといわれていますが、いまひとつはっきりしないようです。経験的にカフェインにより、不整脈が起こるようであれば、カフェイン飲料を飲まないようにすべきだと思いますが、全ての患者さんに禁止する根拠はいまのところないと思います。
 次に妊娠についてです。妊娠が心臓の病気のない例で、不整脈の原因になるかどうかははっきりしていません。しかし、弁膜症のある妊婦さんに、心房細動を起こし、心不全になることがありますので、心臓に病気をもつ方は、妊娠に対して慎重であるべきでしょう。しかし、自覚症状のない方は、妊娠を避ける意味はないと言っていいでしょう。
 最後に、自宅で不整脈が起こったときの、患者さん自身が出来る処置ですが、発作性上室性頻拍賞の場合、前にも言いましたように、のどに指を突っ込み、嘔吐反射を起こらせる方法とか、冷たい水に息をこらえて顔を入れることにより、発作を抑えることができます。
 さて、いかがでしたでしょうか。不整脈について簡単に話をしましたが、少しは理解していただけたでしょうか。

今回のお話で、不整脈についてのお医者さんと患者さんの間のコミニケーションに役立つことと思います。ありがとうございました。

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